糖尿病の治療戦略

2型糖尿病の治療戦略

日本人の糖尿病患者の約90%が2型糖尿病です。これはインスリンの分泌低下とインスリン抵抗性による、インスリンの相対的不足による、慢性の高血糖です。
日本人は粗食に耐えてきた歴史から、倹約遺伝子を持っています。そのため、飽食の現代では、内臓脂肪が蓄積しやすく、インスリン抵抗性が出現しやすいといわれています。

細小血管合併症(網膜症、腎症、末梢神経障害)は糖尿病発症後に進行しますが、大血管障害(動脈硬化、冠動脈疾患)の進行は、糖尿病発症以前のインスリン抵抗性出現時より進行します。

空腹時血糖、HbA1cが上昇してからの治療ではなく、食後高血糖が認めた時点より治療開始することが大切です。従来のSU剤(オイグルコン等)中心の治療から、生活習慣改善とともに、糖質吸収抑制剤(ベイスン)や、インスリン抵抗性改善剤(アクトス)などを上手に使っていく必要があります。